改めて、a2iフォーラムに参加して学んだことのまとめ

先ほどCoremetricsについてまとめましたが、改めて、a2iサミット2011で
語られていたポイントから、自分がピンときた内容をまとめました。大きく
「ログの深読みに当たってのこと」「事業会社にログ解析視点を根付かせること」です。

■■ログの深読みにあたって■■

初期設定のツールが出す集計結果から導けることがあるとは思うが、
行き詰ることもあるし、実態を表していないことも考えられる。
ログを深く読んでいくために、、


(1)ログのみで解決しようとしない。

 複数のデータを付け合せ、因果関係や問題を明らかにすることに努める
 例えば、アンケートやユーザーの観察(リアルな)を試してみる。
 「答えは必ず客の中にある」と考え、観察から得られる仮説をデータで
 裏付けてみる。それにより思わぬ発見やブレイクスルーの近道になりうる。
 (相手の説得が難しい際、リアルを見せると一発で納得という副産物も)

 なお、複数データを付け合せるという意味では、データ統合が世の中で
 進んでいるが、ウェブ発想でみていくならば「ビジターID」がカギになる。


(2)ヨコにしてみる

 現状のログ解析はセッションベースでみることが多いが、要注意!
 本来的にはユーザー(ライフログ)の行動をベースにみていくべき。
 ECの場合、何度も訪れ、いくつかのサイトを見て、最後にCVする。
 例えば、初回訪問時のCVは1/3、2回目以上の訪問時CVは2/3。
 異なる意味合いのセッションを同時に集計してしまっても意味がない。

 上記解消できるツールとしてUUベースでログを見るソフト
 ・Coremetrics
 http://www.core-metrics.jp/
 ・Comyanalytics
 http://comfortmarketing.jp/


(3)コンセプトダイヤグラムを試してみる

 KPIの設定に苦労することがあるが、コンセプトダイヤグラムを作ってみると
 分かりやすい。メリットは、全体を図解することでストーリーが見えてくる、
 点と点を結ぶことで因果関係やその大きさが確認できる点。

 なお、コンセプトダイヤグラムは以下を参照(なるほど、IAが発祥)
 http://uxdeliverables.files.wordpress.com/2010/07/mappingcomics.pdf
 http://www.flickr.com/photos/bryce/53562305/in/photostream/


上記は深読みをしていくために、、という文脈だが、実際の運用を考ええれば、
PDCA…もとい!「2サイクル」で回転させる。いわゆる「仮説→検証」の高速回転。
ネットによる世の中の変化速度が速い。また、ログはリアルタイム集計なので、
検証が早いということがポイント。




■■事業会社にログ文化を根付かせるのって、大変!■■

<組織内で啓蒙していくうえでのポイント>

 ・研修、トレーニングの実施
 ・社内サポートの窓口
 ・費用負担を一元化し、各部門・担当者にコストを割り振らない
 ・人事考課、個人の評価にログへの取り組みを盛り込む
  (ログイン回数、企画書への数字反映、成功事例の提出など)
  (なるべく簡単なところから始め、やりたくなる文化をつくる)
 ・相手の職位レベルによって判断に足る数字・内容は違うので、都度変える


ボトムアップは無理!トップダウンに>

 某国内トップのポータルサイトや、某国内トップの売り上げを誇るECサイト
 において、実はログ解析の文化は昔から根付いていたわけではない。
 組織間の摩擦やあつれきから、イチ推進担当部署では無理。
 経営層、マネージメント層を取り込んだチーム体制で、トップダウン
 組織を動かすことがコツ。
 また、外部コンサルを使うメリットが多い(短期化、組織間の折衝)。


<結局は、「組織」と「人」に帰着する>

 ▽組織的に推進する − 経営課題をリンクさせる
 ▽ベンダーやコンサルと成長する − 共有することでのメリットが大きい
 ▽自ら実践し切り開く − 即断しさくさく進める
 ▽打ち負けないためにビジョンを持つ − 強い意志が必要