ページ経路や動線の分析

ページ経路(サイト内動線)をログ解析ソフトでレポートを出力すると、ソフトによっては、いっきにどわーっと個別の細かな遷移経路(大抵、ランディングから7-10Pほど)がランキングで表示されるケースがあったり、任意のページを基点とする前後1〜3P程度の遷移が見れたりするケースがあったり。そういったデータを普段どのように見ているのか?自分のお気に入りの使い方をお伝えします。


何を見出そうとするのか?まずはじっくり考えることが大事。

出力内容を見ていきなり分析に取り掛かるのはやはり早計だと思います。そんなに都合よくsometing newは発見できないと思います。「事実としてどうなっているかを把握する」と反論されそうですが、それでも so what となりかねません。分析における大事な心がけと思いますが、やはり取り掛かる前に「一体何を調べようとしているのか?」「その結果をどのように活かして行こうか?」と、自らに問いかけることが必要です。自分の経験では、主に以下の2つの問いかけに答える分析をすることと思います。


分析の視点1 「ユーザーはどのようにサイトを見ている人が主流なのか?」

冒頭で言っていた「事実としてどうなっているかを把握する」と同義っぽく見えますが、視点を捉えなおすともう少し突っ込んだ見方が見出せます。この問いかけに答えるべく整理していきます。

最初の整理は「最初のページはどこから来ているのが多いのか?」です。細かな遷移を見る前にランディングページの上位ページをさらってみます。そうすると大抵5ページほどのページでランディング全体の60-70%を含めています。主流を見ていけば良いので、1ページ目は5P程度で整理してしまいます。

次の整理は、どばっと出ている細かな遷移経路ランキングをTOP100程、全体の何割を占めているか見てみます。サイトのページ数によりますが、概ね60-70%が含まれていれば良しとします。もしTOP100で全く至らなければ、全体の60-70%ほどになるまで範囲を調整します。そしてCSVでダウンロードしておく。

ダウンロードしたCSVをエクセル上で、1ページ目の列をソート。恐らくABC順に並びますが、そこから最初に分析していたランディングの上位ページのカタマリを取り出してみる。そうするとまずは「ランディング上位ページからの遷移パターン」となります。この状態でも、元の膨大なデータからは随分と整理・集約された状態だと思います。

自分が行う場合は、この後の工程はランディングページを基点に2ページ目、3ページ目…と樹形図を作っていきます。大体4-5ページ目くらいまでブレイクするイメージ(セッションあたりの平均PV数を頼りにして目安を決めます)。また同時に基点となるランディングページのセッション数を100%とした場合の、樹形図の枝葉部分に存在したセッションの割合がどうなるのか、樹形図だけでなく数字割合も同時に示していきます。

ここまでできあがると、ざっくりですが、サイトがどんな風に見られているのか?可視化できると思います。


分析の視点2 「何が心理変容を起こしているか?」

サイトに散らばる様々なナビゲーション。グロナビ、バナー、ボタン、文章中のテキストリンクなど様々なナビゲーションが存在します。サイトではゴールとするページが大抵あるわけで、そのページへスムーズに誘導させることが至上命題といっても大げさではないと思います。ブランドサイトであれば商品詳細ページ、ECサイトやキャンペーンサイトであれば購入や申し込みまわり、コーポレートサイトでは資料請求や問い合わせです。このゴールに至る過程には中継ぎとなるページや訴求コンテンツを大抵挟んでいます。トビラ、詳細、魅力特徴など。これら中継ぎや訴求がきちんと機能しているか?これを調べることが分析の視点2です。

Google Analytics、Site CatalystVisionalist、WebTrend など多くのソフトで見たことがある機能ですが、任意のページの前後の遷移をみることができます。

例えば応募フォームを基点とする流入経路であれば、前ページを全部表示してみる。同じレイアウトのページがあれば、エクセル上でまとめてしまった方が良いです。そうすると、どのページからの流入が多いのか明らかになります。流入の多いページをよーくみてみると、ユーザーの意向や心理変容を読み取ることができます。同じページ内にリンクが複数ある場合は、個別にパラメータを埋めておくとどのボタンが押されたのか明らかになります。フックコンテンツが明らかになるので、例えば次の施策として「フックコンテンツをサイト内で目立たせて、サイト訪問の初期段階からこのコンテンツへの誘導を強化してあげれば良い。そのためにHOMEに大きくバナーを掲載する」なんて考えられます。「現状サイトのゴールデンルートを探る」と近いイメージかもしれません。



視点は上記に限らず、分析者の創意工夫により多くの使われ方があると思いますが、自分のお気に入りの使い方の紹介まで。